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屋根工事は何が必要?補修・塗装・カバー工法・葺き替えの選び方

屋根工事は何が必要?補修・塗装・カバー工法・葺き替えの選び方

2026/10/17

ブログ

執筆:
那須康一郎
経歴:
株式会社ケイナスホーム創業者/
株式会社ケイナス代表取締役

保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士

「屋根は塗装で十分なのか、それともカバー工法や葺き替えが必要なのか」。工事を提案されても、その違いや必要性を判断するのは難しいものです。

判断ポイントは、傷んでいる場所と、提案された工事で直せる範囲が合っているかです。表面の塗装、固定部分の補修、屋根材の交換では、対応する内容が異なります。

ケイナスの代表は、ケイナスホーム創業から18年、埼玉で3,000棟以上の住まいの工事に携わってきました。この記事では、ケイナスが実際に行った金属屋根の補修・塗装と屋根カバーの事例を交え、工法の違いと、提案書・工程写真で確かめたい点を説明します。sp-keinasu.co.jp

◾️屋根工事は、傷みの場所と直す範囲から選ぶ

表面・屋根材本体・固定部分・下地を分けて確認する

「屋根が傷んでいる」と説明されたら、まず何が傷んでいるのかを確かめましょう。

屋根の表面を覆う塗膜、屋根材の板本体、釘やビスなどの固定部分、屋根材の下にある下葺材や野地板では、確認する内容と必要な処置が異なります。下葺材は屋根材の下に施工する防水シート等、野地板は屋根を支える下地の板です。

例えば、表面の色あせを塗り替えることと、固定部分を補修することは別の作業です。屋根を塗装しただけで、その下にある防水シートや野地板まで交換・補修したことにはなりません。メーカーの工法比較でも、再塗装と、既存材を撤去して下地を処置する工事は分けて説明されています。www.kmew.co.jp

説明を受ける際は、次のように聞くと具体的です。

  • 傷んでいるのは、どの部材のどの箇所ですか。

  • 今回の調査では、どこまで確認できていますか。

  • 見えていない部分について、追加の確認が必要ですか。

「下地」という言葉も、塗料を塗る面を指しているのか、野地板などを指しているのかで意味が変わります。部材名と写真の位置を対応させて説明してもらいましょう。

【屋根の表面・屋根材本体・固定部分・下地の確認対象を示す図】

部分補修・塗装・カバー工法・葺き替えの違い

工事を比較するときは、名称だけでなく、何を残し、どこに手を入れるかを見ます。

工事

主に施工する範囲

残す部分・確認したい条件

部分補修

固定部分など、処置が必要な箇所

補修対象の位置と範囲、周囲の状態

塗装

既存屋根材の表面

屋根材と既存塗膜が塗装に適した状態か、必要な補修は何か

カバー工法

既存屋根の上に新しい屋根材等を施工

残す屋根材・下地の状態と、採用工法の適用条件

葺き替え

既存屋根材を撤去し、新しい屋根材を施工

撤去後に確認・補修する範囲、下葺材や野地板への対応

塗装・カバー工法・葺き替えの基本的な違いは、ニチハの屋根リフォーム工法比較でも確認できます。www.nichiha.co.jp

部分補修は、塗装などと組み合わせる場合があります。後ほど紹介する北区の現場でも、金属屋根の釘をビスへ交換する補修と、屋根面の塗装を行いました。

一方、一部に傷みがあるという説明だけで、屋根全体の工事が必要と決まるわけでもありません。補修する場所と、全面に施工する範囲を分けて確認することが大切です。

◾️屋根材と下地によって選べる工事が変わる

スレートは塗膜と板本体の傷みを分ける

スレート屋根では、表面の色あせに加え、板そのものの割れ・欠け・剥がれなどを確認します。

エスケー化研の屋根用塗料の製品情報には、スレートの基材自体の強度低下が著しい場合、塗装できない場合があると記載されています。表面に塗料を塗れることと、その屋根に塗装が適していることは同じではありません。www.sk-kaken.co.jp

塗装を提案されたら、「割れなどはどの範囲にあるか」「その部分をどう処置するか」「残る屋根材を塗装できると判断した理由」を聞きましょう。

パミールなどの製品名が分かっている場合も、名前だけで全住宅の工法を決めず、現在の状態と合わせて判断します。製品ごとの確認点は、塗装前に確認したいスレート屋根の製品と状態で詳しく紹介しています。

金属屋根は塗装と固定部分の補修を分ける

金属屋根にも、既存の屋根材を塗り替える工事があります。ケイミューも、スレートや金属の屋根材に対する塗り替えを案内しています。www.kmew.co.jp

ただし、屋根面の塗装と、釘・ビスなどの固定部分への処置は別の施工内容です。「金属屋根を塗装する」という説明だけでは、固定部分の補修が含まれるかまでは分かりません。

提案書では、塗装する面に加えて、補修対象の部材と位置を確認します。固定部分の補修がある場合は、既存の釘を残すのか交換するのか、どの箇所へ処置するのかを説明してもらうと具体的です。

必要な処置は屋根の仕様と状態によって異なります。すべての金属屋根に、同じビス交換やコーキングが必要というわけではありません。

カバー工法は残す下地、葺き替えは撤去後の対応を確認する

カバー工法は、既存屋根を残して、その上に新しい屋根材を施工する方法です。ニチハは、紹介する重ね葺き工法の条件として、既存屋根材の種類と下地の状態を挙げています。www.nichiha.co.jp

提案時に「下地は大丈夫」と説明されたら、どの部材を、どの方法で確認した結果なのかを聞きましょう。

テーブルにクロスを掛けても、天板の裏側や脚の接合部を点検したことにはなりません。屋根でも、新しい材料で覆うことと、残す下地を確認・補修することは別です。ただし、屋根カバー工法は専用の材料と施工仕様による改修です。残す部分が工法の条件に合うか、何を根拠に判断したかを確認することが大切です。

屋根を重ねる場合は、建物への荷重も確認事項になります。ケイミューの工法比較にも、荷重が増える改修では建物の構造耐力を事前に専門家へ確認する注意が示されています。www.kmew.co.jp

葺き替えでは、既存屋根材を撤去することで下地を確認し、必要な処置を検討できます。ただし、撤去することと、野地板をすべて交換することは同じではありません。傷みが見つかった場合の補修範囲や、工事内容を変更する際の連絡方法も確認しておきましょう。www.nichiha.co.jp

【カバー工法と葺き替えで残す部分・撤去する部分の違いを示す図】

◾️さいたま市の施工事例で見る補修と屋根カバーの違い

ここでは、ケイナスが実際に行った二つの工事をご紹介します。それぞれ異なる住宅の事例として、どの部分に手を入れたかをご覧ください。

北区の金属屋根で行ったビス補修と塗装

さいたま市北区の住宅では、金属屋根の釘をビスへ変更し、ビス頭にコーキングを施しました。屋根面の塗装と併せて、固定部分の補修を行っています。

屋根は高圧洗浄と下塗り・中塗り・上塗りを行い、仕上げました。

この事例は、「屋根塗装」という名称の中に、塗装とは別の補修が含まれることを示しています。提案を比べる際も、屋根面の塗装と固定部分の処置を分けて見ると、施工範囲を把握しやすくなります。

工事では担当職人が工程ごとに確認し、完了時には現場責任者が点検しました。屋根の塗り残しや色むらなども確認しています。

【北区の現場の金属屋根のビス交換・ビス頭のコーキングと塗装写真】

施工内容と使用材料は、さいたま市北区の金属屋根のビス補修・塗装事例でご紹介しています。

岩槻区のパミール屋根で行ったカバー工事

さいたま市岩槻区の住宅では、既存のパミール屋根にひび・割れを確認しました。

担当者は築年数と屋根全体の状態を確認し、下地はしっかりしていると判断。その判断を踏まえ、葺き替えではなく、屋根全体のカバー工事を行いました。

施工では高圧洗浄、既存鉄部材の撤去、下地処理を行い、防水シートと新しい屋根材、役物を施工しました。役物とは、棟や屋根の端部などの納まりに使用する部材です。

この事例では、屋根材に傷みがあることに加え、残す下地についての判断を踏まえて工法を選んでいます。ご自宅の提案でも、「カバーできる」という結論と、その判断の根拠を対応させて説明してもらうことが大切です。

完成時には、屋根材等の重ね合わせ、板金の固定、雨水を外へ流すための納まりなどを確認しました。

【岩槻区の現場の屋根カバー工事で防水シートと屋根材を施工した写真】

下地処理から防水シート・屋根材の施工までの内容は、さいたま市岩槻区のパミール屋根カバー事例でご紹介しています。

◾️提案書では、工事範囲と見えなくなる工程を確認する

施工する場所・材料・対象外・変更時の対応をそろえる

同じ「屋根工事」という名称でも、施工する屋根面や補修範囲、残す部材が違えば、工事内容も異なります。

提案書を比較するときは、次の項目をそろえて説明してもらいましょう。

確認項目

聞くこと

対応する記録・説明

施工する屋根面

屋根全体か、一部の面か

全景写真や図で示した範囲

補修箇所

どの部材を、どの位置で補修するか

位置が分かる写真と補修内容

撤去・残置

何を撤去し、何を残すか

部材名を記載した仕様

下地への対応

何を確認でき、どこまで処置するか

調査結果と施工範囲の説明

使用材料

どの部位に、どの製品を使うか

製品名と使用箇所の対応

対象外

今回は工事しない部分はどこか

対象外の明記

変更時の対応

新たな傷みが見つかったらどう相談するか

連絡担当、協議と記録の方法

例えば、「下地補修を含む」という記載だけでは、どの部材をどこまで補修するのか分かりません。撤去後に状態を確認する計画なら、その時点で傷みが見つかった場合の説明・協議方法も確認しておきます。

住宅リフォーム推進協議会も、工事内容を具体化し、契約書や仕様書を確認すること、追加・変更を記録することを案内しています。リフォームの上手な進め方も参考になります。www.j-reform.com

工程写真と完成時の説明を対応させる

完成した屋根を見ても、その下の防水シートや、塗装前に行った補修まで確認できるとは限りません。工事前に、見えなくなる工程をどのような記録で説明してもらえるか相談しておきましょう。

例えば防水シートの施工なら、屋根のどの面か分かる全景と、作業内容が分かる近接写真を対応させて確認します。ビス補修なら、補修位置と処置した内容が分かる記録を見ます。

写真は、施工した場所と作業内容を照合するための材料です。写真だけで塗膜の厚さや密着性、写っていない内部の状態まで判断するものではありません。

【屋根の同じ場所の工程記録と施工内容を照合する説明図】

工事内容が変わった場合は、当初の計画から何を変更したかも記録してもらいます。引き渡しでは、施工範囲、使用材料、手直しした箇所、保証がある場合の対象・対象外、工事後の連絡先を確認しましょう。

住宅リフォーム推進協議会も、完成時の確認と関係書類の保管、工事後の維持管理の確認を案内しています。手入れや点検については、採用した材料・工法に合う方法を施工者へ確認しておくことが大切です。www.j-reform.com

◾️屋根の傷みを指摘されたときは、その場で契約を決めない

突然訪ねてきた業者から屋根の傷みを指摘されても、その場で点検や工事の契約を決める必要はありません。

国民生活センターは、突然訪問した業者に安易に点検させず、工事を十分に検討するよう呼びかけています。屋根工事の点検商法に関する注意喚起も確認できます。www.kokusen.go.jp

指摘された屋根の位置、傷みの説明、工事を急ぐと言われた理由を控え、自分で選んだ相談先へ状態の確認を依頼しましょう。指摘を受けたことと、提案された工事が必要であることは分けて考えます。

突然の訪問で工事を勧められた場合は、訪問業者に屋根の傷みを指摘されたときの対応も参考にしてください。

◾️屋根工事の相談は、分かる症状と工事歴の整理から

屋根工事を検討するときは、工事名を先に決めるより、気になる状態と過去の工事を分かる範囲で整理すると相談を進めやすくなります。

屋根材の資料、傷みを指摘された場所、室内の雨漏りに気付いた時期、過去の塗装や補修の内容があれば伝えましょう。分からない項目を推測で埋めたり、ご自身で屋根へ上がったりする必要はありません。

ケイナスが対応する工事は、屋根塗装・カバー工法・葺き替えの施工メニューでご案内しています。

さいたま市周辺で屋根の工事を検討されている方は、分かっている症状や過去の工事内容を添えて、ケイナスへ屋根の状態と工事範囲を相談するからお問い合わせください。

お住まいの状態に合わせた最適プランをご提案

下地補修から塗料選びまで、建物の状況に応じた丁寧な工事を行っています。
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