外壁塗装は何年もつ?下地の状態と施工内容から塗り替えを考える
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執筆:
那須康一郎
経歴:
株式会社ケイナスホーム創業者/
株式会社ケイナス代表取締役
保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士外壁塗装は「10年たったから必ず塗る」「耐久年数の長い塗料を選べば安心」とは決められません。まず確かめたいのは、外壁材と古い塗膜がどのような状態で、その上に塗装する前に何を処置するかです。
塗料の期待耐用年数は、一定の条件を想定した目安であり、その住宅で同じ期間の性能を保証する数字ではありません。外壁に剥がれや割れがある場合は、塗料の名前を比べる前に、傷みの場所と補修方法を確認しましょう。日本ペイントの期待耐用年数の説明も、表示年数と個別の住宅での結果を区別しています。日本ペイント株式会社
◾️外壁塗装は10年ごとに必要?
年数は点検を始める目安
「10年」は外壁の状態を見直すきっかけにはなります。ただし、前回使った製品や塗料、日当たりなどの条件、現在の傷み方が違えば、必要な工事も変わります。ニチハも窯業系サイディングの維持管理について、製品や使用環境に応じた確認を案内しています。nichiha.co.jp
前回の塗装記録があれば、施工年だけでなく、使用した塗料、下地処理、補修した箇所を確認してください。次の調査で「以前どこを直したか」を伝える手掛かりになります。
年数より先に見るべき外壁の変化
手の届く場所で、色あせ、触れたときに付く白い粉、塗膜の浮きや剥がれ、外壁材の割れ、目地の隙間などに気付いたら、場所を記録して相談しましょう。高所に上がったり、剥がれている部分を自分で削ったりする必要はありません。
白い粉や汚れだけで直ちに全面塗装が必要とは決まりません。一方、割れや剥がれを上から塗るだけで処置できるとも限りません。どの部分が傷み、塗装前に何を直すのかを聞くことが大切です。
◾️塗装前の「下地の状態」はどう確かめる?
塗装の話でいう「下地」は、新しい塗料が接する古い塗膜や外壁材の表面を指すことがあります。一方、外壁の内側にある部材まで含めて「下地」と呼ぶこともあります。まず施工者に、どの部分を確認した結果なのかを聞きましょう。

古い塗膜と外壁材を分けて見る
ここでいう下地には、新しい塗料が接する古い塗膜や外壁材の表面が含まれます。例えば古い塗膜が剥がれている場所では、「浮いた塗膜をどこまで除去するか」「露出した面をどう整えるか」を施工者に聞きます。板そのものに割れや欠けがあるなら、その補修を塗装とは別に説明してもらいましょう。
メーカーの塗装仕様でも、既存塗膜の状態によって下塗りや別の下地改修が必要になる場合があります。塗料名だけで下塗りの適否は決められません。nipponpaint.co.jp
見えない部分は何を確認したか聞く
表面に膨れや繰り返す剥がれがあっても、写真や外観だけで壁の内部の状態や原因は確定できません。施工者には「表面まで確認したのか」「外壁材の状態まで確認したのか」「内部の状態は未確認なのか」を分けて説明してもらいましょう。
調査写真があれば、建物のどの面・どの場所かを示してもらい、傷みの写真と提案された補修範囲を照らし合わせます。確認できていない部分を、確認済みとして扱わないことも判断材料です。
窯業系サイディングの方は、板・塗膜・目地の確認点も参考にしてください。
◾️施工の質は依頼前と工事中にどう確かめる?
塗る前の補修と下地処理を確認する
完成後の外壁だけを見ても、塗る前に傷んだ部分をどう扱ったかは分かりません。依頼前に、調査で見つかった箇所ごとに、次の説明を求めてください。
剥がれかけた既存塗膜をどう処置するか
汚れを落とした後、塗装できる面かどうかをどう判断するか
外壁材の割れ・欠けや目地の傷みを、どの範囲で補修するか
塗装では処置しない箇所はどこか
工事中は、補修前、下地処理後、塗装後の同じ場所が分かる写真や説明があると、提案された作業と実際の施工を照らし合わせやすくなります。写真だけで施工品質を証明できるわけではありませんが、完成すると隠れる工程について質問する材料になります。住宅紛争処理支援センターの技術資料も、既存塗膜や付着物の除去、塗装工程と施工記録の確認を挙げています。jouhou.chord.or.jp

塗料に合った工程と施工記録を確認する
下塗り・中塗り・上塗りと書かれていても、すべての製品で同じ施工条件になるわけではありません。「外壁材と古い塗膜に対して、その下塗り材を選ぶ理由」「製品の仕様に沿った塗り重ね間隔や施工条件を誰が管理するか」を聞いてください。
引き渡し時には、予定した補修範囲と塗装範囲、実際に使った材料、各工程の記録、手直しした箇所を確認します。住宅所有者が塗布量や塗膜の付着力を目視で判定する必要はありません。施工者が仕様と実施工の対応を説明できるかを確かめるための質問です。jouhou.chord.or.jp
◾️塗り替えを相談するときの確認表
確認する段階 | 施工者へ聞くこと | 説明・記録で確かめること |
|---|---|---|
現地調査 | どの面の、塗膜・外壁材・目地に傷みがあるか | 場所が分かる写真と、未確認の範囲 |
工事の提案 | 各症状をどう処置し、何を塗装するか | 補修箇所、塗装範囲、対象外 |
塗装前 | 古い塗膜や割れをどう処置したか | 補修後・下地処理後の状態 |
塗装中 | 材料と工程をどう管理したか | 採用した製品仕様と施工記録 |
引き渡し | どこを点検し、何を手直ししたか | 工事内容と完了時の説明の一致 |
「塗装工事一式」のように範囲が読み取れない場合は、含まれる補修と対象外を具体的に聞きましょう。住宅リフォーム推進協議会も、現地調査を踏まえた提案と、内容が分からない項目の説明を求めることを案内しています。j-reform.com
◾️年数と施工内容の両方を確かめて判断を
塗料の表示年数は選ぶ際の参考になります。ただし、自宅の塗り替えを判断するには、今の外壁に何が起きているか、塗装前に何を直すか、選んだ仕様でどう施工するかを確かめる必要があります。
外壁の気になる場所、前回の塗装記録、希望する仕上がりがあれば整理して、株式会社ケイナスへ外壁の状態と必要な工事範囲をご相談ください。
工事の案内は外壁塗装の施工メニューをご覧ください。
