サイディング外壁に塗装は必要?種類・製品ごとの手入れと判断方法
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執筆:
那須康一郎
経歴:
株式会社ケイナスホーム創業者/
株式会社ケイナス代表取締役
保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士サイディング外壁は、すべて同じ方法で手入れするものではありません。塗装の必要性は、材料の種類だけでなく、製品の表面仕上げや現在の状態によっても異なります。
例えば、ゼオン化成の「ゼオンサイディング」は、メーカーが塗り替え不要と案内する樹脂製品です。一方、窯業系のニチハ「Fu-ge プレミアム」やケイミュー「光セラ」は、色あせを抑える仕上げによって、再塗装までの期間や必要性を考える製品です。「塗り替え不要」と「塗り替えの間隔を延ばせる」は分けて理解しましょう。
どちらの場合も、清掃や破損した部分への対応、周辺部材の確認まで不要になるわけではありません。この記事では、実際の商品名を手掛かりに、塗装の必要性の違いと、自宅で確認したいことを説明します。
◾️サイディング外壁に塗装は必要?まず種類と製品を確認
同じ「サイディング」でも、塗装で表面を仕上げた製品と、材料そのものに色を付けた製品では、塗り替えの考え方が違います。まず窯業系・金属・樹脂の代表的な例を見てみましょう。
窯業系サイディングは表面仕上げと状態を確認する
窯業系サイディングでは、表面の塗装だけでなく、板本体や目地、付属部材の状態も分けて確認します。表面の塗り替えが必要なのか、板の補修や目地への対応が必要なのかは、それぞれの傷みに合わせて考えるためです。nichiha.co.jp
窯業系の中でも、表面仕上げには製品差があります。例えば、ニチハの「Fu-ge プレミアム」は、超高耐候塗料「プラチナコート30」を採用した製品です。メーカーは、再塗装までの期間を延ばせると案内しています。塗膜の保証には施工方法や部材などの条件があり、その保証が板や目地の点検まで不要にするものではありません。
ケイミューの「光セラ」は、紫外線による色あせを抑えるセラミックコートを使った製品です。メーカーのモデル比較では、一般的な塗装と比べて再塗装の必要性が少ないと説明されています。ただし、点検や傷みに応じた補修まで省けるという意味ではありません。
また、光セラを塗り替える際には、メーカー指定の塗料と塗装仕様の確認が必要です。現場で塗り替えても、元の光セラ仕上げに戻るわけではありません。「塗れるか」だけでなく、「塗り替え後はどのような仕上げになるか」も施工者へ確認しましょう。
出典:ケイミュー「光セラの色あせを抑える仕組み」・再塗装のモデル比較・維持管理の案内
このように、窯業系という分類だけで、一律の塗り替え時期を決めることはできません。採用した製品の案内と、今の塗膜・板・目地の状態を照合して判断します。
窯業系サイディングの方は、窯業系サイディングの塗り替え時期と確認点もご覧ください。
金属サイディングは塗膜・サビ・部材の状態を確認する
金属製品の例には、ニチハの「センターサイディング」があります。同社は、清掃に加え、塗装面の劣化に応じた再塗装を案内しています。金属製だから塗装が不要になるわけではありません。nichiha.co.jp
確認したいのは、塗装面の色あせや剥がれ、サビ、本体や付属部材の損傷などです。表面の汚れを落とす手入れと、塗膜を塗り替える対応、傷んだ部材を直す対応は分けて考えます。nichiha.co.jp
金属サイディングも、採用品によって金属や塗装の仕様が異なります。見た目や「金属」という呼び名だけで判断せず、製品の案内と住宅全体の状態を施工者に確認してもらいましょう。
出典:ニチハ「センターサイディングのメンテナンス」・施工後の注意事項
樹脂サイディングには塗り替え不要とされる製品がある
塗り替え不要と案内される具体例は、ゼオン化成の「ゼオンサイディング」です。メーカーによると、表面に塗装して色を付ける方式ではなく、樹脂材料に顔料を練り込んでいるため、塗り替えを必要としません。
表面の色の層を塗り直す製品と、材料自体に色が付いている製品では、手入れの考え方が違います。「サイディングだから一定の時期に塗装する」と決める前に、こうした仕上げの違いを確かめることが大切です。

ただし、ゼオンサイディングも、汚れの清掃や破損した部分への対応は別に考えます。メーカーは水洗いによる手入れや、破損時の部分張り替えを案内しています。塗り替え不要は、何もしなくてよいという意味ではありません。
これは紹介した製品についての説明です。すべての樹脂製品が同じ仕様とは限らないため、自宅の製品名と手入れの案内を確かめましょう。
商品・シリーズ名(メーカー) | 材種 | 塗装に関わる特性 | 残る手入れ・確認点 |
|---|---|---|---|
Fu-ge プレミアム(ニチハ) | 窯業系 | 超高耐候塗料により、再塗装までの期間を延ばす考え方 | 製品の案内と状態を照合。塗膜の保証と、板・目地等の点検は分ける |
光セラ(ケイミュー) | 窯業系 | セラミックコートが色あせを抑える。メーカーのモデル比較では再塗装の必要性が少ない | 本体・目地等を点検。塗り替える場合は指定の塗料・塗装仕様を確認 |
センターサイディング(ニチハ) | 金属 | メーカーは塗装面の劣化に応じた再塗装を案内 | 清掃、塗装面・サビ・本体・部材の確認。採用品の仕様を照合 |
ゼオンサイディング(ゼオン化成) | 樹脂 | 材料に顔料を練り込む方式で、メーカーは塗り替え不要と案内 | 清掃、破損部分への対応。部分的に使用するシーリング等も別に確認 |
商品名は違いを理解するための参考例です。ご自宅では、引き渡し資料や工事記録で採用品の型番・仕上げを確認してください。資料が見つからない場合は、建てた住宅会社や施工者に確認を依頼しましょう。過去に塗り替えている場合は、その工事の記録も判断材料になります。
◾️「塗装不要」と「手入れ不要」は同じではない
「メンテナンスフリー」と説明された外壁でも、何の手入れが不要とされているのかを確かめる必要があります。板の塗り替え、目地の補修、清掃、破損時の対応を分けると、確認すべきことが整理できます。
板の塗装と、目地・部材の補修を分ける
例えば、シーリング目地を使った窯業系サイディングでは、表面の塗膜、板本体、目地を別々に確認します。塗膜は剥がれていないか、板は割れたり反ったりしていないか、目地は切れたり剥がれたりしていないかを見るためです。nichiha.co.jp

塗り替えまでの期間を延ばせる仕上げでも、目地や付属部材に傷みがあれば、その部位への対応を検討します。反対に、目地の補修が必要という理由だけで、板の全面塗装まで必要とは決められません。
塗装と目地の工事をまとめて行う提案を受けた場合は、それぞれどの状態に対する工事なのかを聞きましょう。提案書で「塗膜への対応」「板への対応」「目地・部材への対応」が分かれていると、工事内容を理解しやすくなります。
シーリングを使わない継ぎ目にも製品ごとの条件がある
シーリングとは、継ぎ目などに使う柔らかい目地材のことです。サイディングには、板同士の継ぎ目でシーリングを使わない製品・施工方法もあります。
ゼオンサイディングの場合、メーカーは重ね張りの継ぎ目には基本的にシーリングを使わないと説明しています。ただし、雨樋の固定部や換気口、メーター類の固定部などには部分的に使用すると案内しています。
そのため、「シーリングレス」という説明から、住宅のすべての箇所にシーリングがない、補修の対象もないとは判断できません。自宅ではどの継ぎ目・部位に何の部材を使っているのか、施工者に確認しましょう。
◾️塗装を決める前に、今の外壁で何を確認する?
製品の手入れ方法が分かったら、次に現在の変化を整理します。地上から無理なく見える範囲で、気になる場所と状態を写真やメモに残すと、相談時に伝えやすくなります。高所へ上ったり、外壁を削ったりせず、詳しい確認は施工者へ依頼してください。
色あせ・粉・サビ・剥がれは塗装判断の手掛かり
塗装仕上げの外壁では、色あせや剥がれ、表面の白い粉などが点検の手掛かりになります。塗膜の劣化に伴って粉が生じる現象は、チョーキングと呼ばれます。金属製品では、サビや塗装面の傷みも確認対象です。
ただし、白い粉が見られたことだけで、直ちに全面塗装が必要とは判断できません。日本ペイントは、初期のチョーキングや変退色が、防食・保護機能の著しい損失を意味するものではないと説明しています。症状の程度や範囲、製品の仕上げを併せて確認することが必要です。日本ペイント株式会社
相談時は「色が変わった」だけでなく、「北側の一面に汚れが目立つ」「窓の下に剥がれがある」など、場所と状態を伝えましょう。汚れやコケが見えることだけから、防水機能の低下や内部の傷みを決め付けることもできません。
表面塗装のない製品に、塗膜のチョーキングの説明をそのまま当てはめないことも大切です。まず何の製品で、どのような仕上げなのかを確かめます。
割れや変形があれば補修の必要性も確認する
板の割れ、欠け、反りなどが気になる場合は、塗装面の手入れに加えて、本体の補修が必要かも確認します。メーカーの維持管理案内では、状態に応じた補修や部分張り替えなどが示されています。nichiha.co.jp
相談では、「塗装で対応するのか」「傷んだ箇所を補修するのか」「板の交換を検討するのか」を、調査で確認した状態と結び付けて説明してもらいましょう。写真の見た目だけで原因や内部の状態を決めず、確認できたことと、まだ分からないことを分けることが大切です。
窯業系サイディングでは、板の種類に加えて施工方法も確認材料になります。塗装の可否を材種だけで決めず、施工方法と傷みの状態を併せて確認しましょう。
窯業系サイディングの施工方法が気になる方は、直張りサイディングの確認点と工事の選び方も参考にしてください。
◾️相談時に製品資料と調査結果を照合する
塗装の提案を受けたら、どの製品に、どのような傷みがあり、何のために工事を行うのかを確かめましょう。引き渡し資料、外壁の仕様書、過去の塗装や補修の記録があれば、分かる範囲で用意すると相談に役立ちます。
よく似た衣服でも、洗濯表示を確かめると手入れ方法が違うことがあります。外壁も同じように、見た目だけで決めず、製品ごとの案内を確認することが出発点です。ただし外壁では、案内に加えて現在の傷みや過去の工事も調べ、必要な対応を施工者と相談します。
施工者へ聞くこと | 確認したい資料・説明 |
|---|---|
自宅の外壁は何の製品で、どのような仕上げですか? | 製品名・型番・採用時期が分かる資料と、現在の仕上げ。過去に塗り替えた場合はその記録 |
どこに、どのような傷みがあり、何の対応が必要ですか? | 場所が分かる調査写真と、塗装・清掃・補修・交換を提案する理由 |
提案された塗料は、この外壁に使えますか? | メーカーの案内と適合する塗装仕様。塗り替え後の仕上げや手入れの説明 |
目地や付属部材は、板の塗装と別に対応が必要ですか? | 各部位の状態、使用部材、提案する補修の対象と範囲 |
今回の調査で確認できなかった範囲はありますか? | 未確認箇所と、追加確認が必要な場合の説明 |
提案書と調査写真を照らし合わせ、「この箇所にこの工事をする」と説明してもらうと、工事の必要性を理解しやすくなります。「サイディングだから塗装する」という説明だけでは、自宅の製品と状態に合う対応なのかが分かりません。
塗装を検討する際は、ケイナスの外壁塗装の施工メニューもご覧いただけます。
外壁の手入れは、製品の特性と今の状態の両方から考えることが大切です。塗り替え不要の製品なら別の手入れを、高耐候の仕上げならその案内に合う点検や対応を確認しましょう。
さいたま市でサイディング外壁の手入れに迷っている方は、ケイナスへ外壁の状態について相談する際に、分かる範囲の製品資料と気になる症状をお伝えください。
