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モルタル外壁に塗装は必要?ひび割れ補修と塗り替えの判断方法

モルタル外壁に塗装は必要?ひび割れ補修と塗り替えの判断方法

2026/10/14

ブログ

執筆:
那須康一郎
経歴:
株式会社ケイナスホーム創業者/
株式会社ケイナス代表取締役

保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士

塗装仕上げのモルタル外壁は、表面の保護と仕上げの状態に応じて塗り替えを検討します。ただし、ひび割れや浮きがある場合は、塗り直すだけで対応できるとは限りません。

まず確認したいのは、表面の塗膜に傷みがあるのか、モルタル本体に補修が必要なのか、壁の内側まで調べる必要があるのかという違いです。材料名や経過年数だけで工事を決めず、調査結果と補修・塗装の提案を照らし合わせましょう。nilim.go.jp

この記事では、モルタル外壁の変化に気付いたときの相談の手掛かりと、材料や提案書で確認したいことを整理します。

◾️塗装とひび割れ補修は、何を直す工事?

表面の仕上げとモルタル本体を分けて考える

モルタルは、セメントに砂や水などを混ぜた材料です。住宅のモルタル外壁は、防水紙や金網状のラスなどを含む下地の外側にモルタルを施工してつくられます。壁の内側の構成は、住宅の構法によって異なります。

表面には、リシン、スタッコ、吹付けタイルなどの仕上げがあります。これらはモルタル本体の名称ではなく、表面仕上げの例です。仕上げによって性質が異なるため、同じモルタル外壁でも、塗り替えに使う材料を一律には決められません。nilim.go.jp

塗装は表面の仕上げを維持する工事ですが、傷んだモルタル本体の補修や、壁内の不具合への対応とは区別して考えます。壁全体の雨水対策を、表面の塗膜だけが担っているわけではありません。

出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所「モルタル外壁を地震と劣化から守るための7つのQ&A」、JIO「設計施工基準に関するQ&A」モルタル工法の説明

たとえば、床の表面をワックスで整えても、浮いた床板そのものを直したことにはなりません。外壁も、表面の仕上げを塗り直す作業と、傷んだモルタルを補修する作業は分けて考えます。

床と外壁の材料や補修方法が同じという意味ではありませんが、施工者に「どの部分を、何のために直すのか」を説明してもらうと、塗装と補修の提案を理解しやすくなります。

ひび割れの原因は見た目だけでは決められない

ひび割れには、表面の塗膜に生じるものと、モルタル側に生じるものがあります。モルタルの乾燥に伴う収縮、塗膜の経年変化、建物の揺れや繰り返す振動など、発生理由もさまざまです。morutarugaiheki.jp

外から見える線だけで、原因や深さを確定することはできません。写真に割れが写っていても、それだけで施工不良、構造上の問題、室内への浸水を示すものにはなりません。

点検の説明を受けるときは、「塗膜の割れか、モルタル本体の割れか」「何を確認して判断したか」を聞きましょう。確認できなかった部分があれば、その範囲も分けて説明してもらうことが大切です。

出典:日本住宅モルタル外壁協議会「ひび割れ補修」

◾️モルタル外壁は、いつ点検・相談すればよい?

細いひび割れも幅・本数・変化を確認する

細いひび割れを見つけても、それだけで大きな不具合が起きているとは決まりません。一方で、細い割れが同じ場所に集中している、壁面に多数ある、以前より増えているといった場合は、点検時に伝えたい情報です。

補修の判断には、幅に加えて、長さ、深さ、場所、本数、周辺の変化、外壁の構法などが関係します。「ヘアクラック」という呼び名や幅だけで、放置してよいか、全面塗装が必要かを決めることはできません。morutarugaiheki.jp

安全に見える範囲で、気付いた日、壁面の位置、増えているように見えるかを記録しておくと相談に役立ちます。割れの深さを調べるために削ったり、高所に上がったりする必要はありません。

出典:日本住宅モルタル外壁協議会「ひび割れ補修」

浮き・剥がれ・雨漏りがあれば塗装の前に調べる

「浮き」は、塗膜やモルタルなどが、その下の面から離れた状態です。表面の塗膜が浮いているのか、モルタル自体が下地から離れているのかで、必要な確認や処置は変わります。

割れの周囲に浮きや変色がある場合は、剥がれ落ちるおそれも考慮して相談しましょう。剥がれそうな箇所には近づかず、自分で触ったり落としたりしないでください。morutarugaiheki.jp

雨漏りがある場合も、見つかった割れだけを原因と決めず、侵入経路と必要な対応を塗装の前に確認します。壁内の防水紙や通気・排水の構成も関係するため、表面を塗ったことだけで雨漏りの原因まで解消したとは判断できません。nilim.go.jp

施工者には、「どこを調べたか」「どこまで状態が分かったか」「塗装前に何を直す必要があるか」を尋ねてください。

出典:日本住宅モルタル外壁協議会「ひび割れ補修」、国総研のモルタル外壁Q&A

白い粉や色あせは塗膜を見直す手掛かり

壁に触れたときの白い粉や色あせは、塗膜の状態を見直す手掛かりになります。ただし、初期の白い粉や変退色が見られたことと、下地を保護する機能が著しく失われたことは同じではありません。

塗料の期待耐用年数も、立地や施工などの条件を前提にした目安です。前回の塗装からの年数と、現在の傷み方を併せて考えます。日本ペイント株式会社

出典:日本ペイント「期待耐用年数」

前回の工事記録があれば、使用材料、補修した場所、下地処理の内容を確認しましょう。塗り替えの時期や施工内容を確かめる際は、塗装の年数と下地・施工内容の確認点も参考にしてください。

気付いた変化

施工者に確かめたいこと

相談時に伝えること

細い割れが集中している・増えている

割れの幅・長さ・深さ・場所と、周辺の状態をどこまで確認したか

気付いた時期、場所、本数や変化

浮き・剥がれ・周囲の変色

浮いているのが塗膜かモルタルか、必要な調査と処置

剥がれそうな箇所、変化が見られる場所

雨漏り

侵入経路をどこまで調べるか、確認できていない範囲はあるか

漏れた場所、発生時期、雨天との関係

白い粉・色あせ

塗膜の付着や下地の状態をどう確認するか

目立つ壁面、過去の塗装・補修記録

この表は安全性や工事の要否を判定するものではありません。気付いた変化と、施工者の確認結果を整理するために使ってください。morutarugaiheki.jp

◾️弾性塗料ならひび割れを直せる?材料と下地の確認点

下地調整材と上塗り材は役割が違う

「弾性」という言葉が付いていても、材料の役割や適用条件は同じではありません。具体的な製品を例に、確認するポイントを見てみましょう。

下地調整材の例:エスケー化研「エスケー弾性プレミアムフィラー」

メーカーは、既存塗膜に生じた微細なひび割れをカバーする下地調整材として説明しています。対象は、メーカーが定める付着状態を満たす「活膜下地」です。活膜とは、しっかり付着している既存塗膜を指します。

旧塗膜が高弾性の場合は、適用できないことがあります。「微細な割れをカバーできる」という説明から、浮いた塗膜やモルタルにも、そのまま使えるとは判断できません。エスケー化研株式会社

出典:エスケー化研「エスケー弾性プレミアムフィラー」製品情報

上塗り材の例:エスケー化研「水性弾性セラミシリコン」

適用下地にセメントモルタルや既存の活膜などを含む上塗り材です。メーカーのひび割れ追従性の説明には、複層仕上げでアクリルゴム系の主材を使う条件が含まれています。

「主材」は、複層仕上げを構成する材料の一つです。上塗り材だけの名前で性能を判断せず、下塗材や主材を含めて、どの施工仕様で仕上げるのかを確認します。エスケー化研株式会社

出典:エスケー化研「水性弾性セラミシリコン」製品情報

役割

製品例(メーカー)

資料で確認できる特性

選定時の確認点

下地調整材

エスケー弾性プレミアムフィラー(エスケー化研)

既存塗膜の微細なひび割れをカバーする材料

旧塗膜が所定の付着状態を満たすか。高弾性の旧塗膜など、適用できない条件に当たらないか

上塗り材

水性弾性セラミシリコン(エスケー化研)

セメントモルタルなどを適用下地に含む。ひび割れ追従性の説明には複層仕上げの条件がある

下地に合う下塗材と、主材を含む施工仕様を確認しているか

二製品は役割の違いを理解するための例です。この組み合わせを推奨する表ではなく、ケイナスでの使用実績や個別住宅への適合を示すものでもありません。エスケー化研株式会社

材料名だけで補修方法や適合は決まらない

材料に微細な割れを覆う機能があっても、それはモルタル本体の浮きや、雨漏りの原因まで修復するという意味ではありません。また、ひび割れへの追従性は、下地の状態や仕上げ全体の仕様と切り離して判断できません。morutarugaiheki.jp

提案された材料については、次の点を確認しましょう。

  • 今ある表面仕上げと旧塗膜は何か。

  • 旧塗膜は十分に付着しているか。

  • 割れや浮きに対して、塗装前の補修が必要か。

  • 下地調整材・下塗材・主材・上塗り材を、どの仕様で使うか。

「弾性塗料を使うから大丈夫」という説明だけでは、どの傷みに対応する提案なのか分かりません。調査した状態と、選ぶ材料・補修内容の関係を説明してもらいましょう。

◾️調査写真と提案書で、工事の必要性を確認する

工事の提案を受けたら、症状の写真と、確認結果、必要な補修、塗装仕様を対応させて見せてもらいましょう。どの場所の傷みに対して、何をする計画なのかが分かると、提案を比較しやすくなります。

施工者へ聞くこと

確認したい資料・説明

この割れは塗膜とモルタルのどちらに生じていますか

場所を示す写真、確認方法、確認できた範囲

浮きや漏水の疑いを、どこまで調べましたか

調査箇所、確認結果、まだ判断できない部分

どこを補修し、なぜその範囲にしますか

補修箇所を示す写真や図、塗装との作業区分

今ある仕上げに、提案材料は適合しますか

旧仕上げ・旧塗膜の確認結果、メーカー資料と施工仕様

工事中と完了後に何を確認できますか

補修前・下地処理後・塗装後の記録方法、説明できる範囲

写真を残す場合は、可能な範囲で同じ箇所の補修前・下地処理後・塗装後を対応させて説明してもらうと、提案内容と作業を照らし合わせやすくなります。ただし、写真が揃っているだけで、見えない部分の状態や施工品質まで保証されるわけではありません。

塗装を検討する際は、ケイナスの外壁塗装の施工メニューもご覧いただけます。

モルタル外壁の塗り替えは、年数や塗料名だけで決めるものではありません。表面の仕上げとモルタル本体を分け、割れや浮き、雨漏りの疑いについて調査したうえで、必要な補修と塗装仕様を確かめることが大切です。

工事を依頼する前には、「何が傷んでいるか」「どこを直すか」「どの条件に合う材料を使うか」を、調査写真と提案書で確認しましょう。

さいたま市でモルタル外壁のひび割れや塗り替えに迷っている方は、ケイナスへモルタル外壁の状態について相談する際に、気になる場所、いつからか、変化や雨漏りの有無、過去の塗装・補修記録を分かる範囲でお伝えください。

お住まいの状態に合わせた最適プランをご提案

下地補修から塗料選びまで、建物の状況に応じた丁寧な工事を行っています。
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