外壁塗装のダブルトーンとは?目地の色分け・メリットとクリヤー塗装との違い
ブログ
執筆:
那須康一郎
経歴:
株式会社ケイナスホーム創業者/
株式会社ケイナス代表取締役
※ケイナスホームでは18年間で3000棟以上の施工実績
保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士外壁を塗り替えるなら、今あるレンガ調やタイル調の雰囲気も大切にしたい。けれど、色あせや補修跡が気になり、透明な塗装でよいのか迷っている。そんなときに検討できるのが、ダブルトーン塗装です。
ダブルトーン塗装は、サイディングの凹部と凸部を異なる色で仕上げ、配色によって立体感を引き立てる方法です。外壁の形を生かしながら、単色とは違う表情に変えられます。
ただし、元の印刷柄をそのまま残す工法ではありません。また、どの外壁にも同じように施工できるわけではなく、凹凸の形状や傷み、既存の表面加工との相性を確認する必要があります。
この記事では、ダブルトーン塗装で変わること、単色・クリヤー塗装との違い、仕上がりで後悔しないための確認点を整理します。見た目の好みだけで決めず、自宅に合う補修と塗装仕様まで比べていきましょう。
◾️ダブルトーン塗装で変わること、残ること
凹部と凸部を塗り分け、配色で立体感を見せる
レンガ調などのサイディングには、表面の出っ張りと、目地のように見える溝があります。ダブルトーン塗装では、この形状を利用して色を分けます。この記事でいう「目地工法」は、この意匠上の溝と表面を塗り分ける方法を指します。
例えば、溝を落ち着いたグレー、出っ張った部分を明るいベージュにすると、輪郭が分かりやすくなります。同系色で穏やかにまとめることもでき、色の差によって印象が変わります。
彫りのある額縁を思い浮かべてみてください。溝と出っ張りを別々の色にすると、彫りの形が目に入りやすくなります。ダブルトーン塗装も、既にある形に色を重ねて表情をつくる考え方です。塗装で新しい凹凸をつくるわけではありません。
関西ペイントも、ダブルトーンを既存サイディングの立体感を生かす色分け仕上げとして案内しています。建物の上階・下階を別色にする一般的なツートン配色とは、塗り分ける単位が異なります。
なお、単色で塗っても、サイディング自体の凹凸や光による陰影がなくなるわけではありません。主に変わるのは色の見え方です。ダブルトーンでも、元の細かな印刷柄や色むらを、そのまま再現できるとは限りません。
目地の色分けとシーリング補修は別の工事
「目地」という言葉には注意が必要です。レンガ調の模様として刻まれた溝と、サイディングの板と板の接合部に施工されたシーリングは、役割が異なります。
溝の色を変えるのはデザインのための塗り分けです。一方、シーリングのひび割れや剥離などを調べ、必要に応じて補修するのは、接合部の状態に対処する工事です。
目地をきれいな色に塗ることだけで、傷んだシーリングの補修が済むわけではありません。 見積もりでは「模様の色分け」と「接合部の補修」を別々に確認しましょう。シーリングの施工方法や塗装との前後関係も、使用材料と仕様に合わせた説明が必要です。

◾️単色・ダブルトーン・クリヤー塗装の違い
塗装方法を比べるときは、「今の色柄を見える状態で残したいのか」「凹凸を生かして配色を変えたいのか」を分けると整理しやすくなります。
比較する点 | 単色塗装 | ダブルトーン塗装 | クリヤー塗装 |
|---|---|---|---|
色の仕上げ方 | 同じ外壁面を基本的に一色で仕上げる | 凹部と凸部を異なる色で仕上げる | 透明な塗膜を重ねる |
元の印刷柄・配色 | 原則として覆われる | 原則として覆われ、新しい配色になる | 既存の色柄が透けて見える |
凹凸の見え方 | 形状と光による陰影が残る | 形状に加え、配色の差でも輪郭を見せる | 既存の形状や色柄を生かす |
検討しやすい希望 | 色をすっきりまとめたい | 凹凸を生かして外観の印象を変えたい | 気に入っている既存の色柄を残したい |
特に確認すること | 下地への適合、色、艶 | 左記に加え、凹凸と塗り分けの相性、配色、施工範囲 | 劣化、補修跡の見え方、表面加工への適合 |
クリヤー塗装は透明なので、色あせや補修跡を不透明な塗料のように覆うものではありません。日本ペイントは、窯業サイディングの劣化が軽微で、チョーキングや割れなどがない場合にクリヤー塗装を案内し、製品例として「ピュアライドUVプロテクトSiクリヤー」などを挙げています。実際の採用には、対象外壁への適合と最新の施工仕様の確認が必要です。
同社は、形状を生かす多色仕上げ「ドレスアップアート」も紹介しています。ただし、これはメーカーが用意する別の仕上げシステムです。この記事で説明する一般的なダブルトーン塗装と、名称や施工仕様を同一視しないようにしましょう。
「クリヤーは難しい」と言われた場合も、すぐにダブルトーンで施工できるとは限りません。色柄を覆えることと、傷んだ外壁を塗装で維持できることは別です。補修で対応できる状態かを確かめてから、仕上げ方を検討します。

◾️ダブルトーン塗装のメリットと向いている外壁
ダブルトーン塗装の魅力は、サイディングの形を生かしながら、好みに合わせて外壁の表情を変えられることです。例えばレンガ調の凹凸があれば、溝と表面の色を分けることで、一つひとつの輪郭を引き立てられます。
元の配色を変えたい方や、単色の仕上がりよりも輪郭を感じるデザインが好きな方には、検討する理由があります。全面を同じ仕上げにするほか、凹凸のあるアクセント面を対象にする考え方もあります。施工する面は、建物全体のまとまりを見て決めましょう。
また、色あせなどでクリヤー塗装が適さなくても、下地を適切に整えたうえで不透明な色を付ける方法なら、選択肢にできる場合があります。その際に残すのは、主に外壁の形状です。「元の柄を残す」とだけ説明を受けたら、印刷柄まで残るのか、新しい配色で形を生かすのかを確かめてください。
向き・不向きは、模様の名前だけでは決まりません。レンガ調・タイル調でも、溝の深さや凸部の形で色の乗り方は変わります。木目調や石目調も含め、実物に近い形状で仕上がりを確認することが大切です。
「周囲と少し違う外観にしたい」「高級感のある雰囲気が好き」という希望も、具体的な配色へ置き換えて考えましょう。濃淡を強く出すのか、落ち着いた同系色にするのかで、同じ工法でも印象が変わります。
◾️仕上がりで後悔しないための確認点
凹凸の形状と、塗料が密着する下地かを確認する
まず確かめたいのは、自宅の外壁が塗り分けに適した形状か、塗装で維持できる状態かという点です。色の相談と一緒に、ひび割れ、塗膜の浮き・剥がれ、板の傷み、接合部のシーリングなどの調査結果を見せてもらいましょう。
表面加工にも注意が必要です。日本ペイントは、セラミックコートなどの特殊なサイディングや、ふっ素樹脂・親水化処理剤・光触媒による表面加工について、付着性を確保しにくい場合があると説明しています。
このため、仕上げをダブルトーンにすれば密着の問題も解決する、とは考えられません。分かる範囲で建材名や過去の塗装記録を伝え、既存の表面に対して、どの下塗り・上塗りを組み合わせるのかを確認してください。適合を判断できないまま、見た目だけで施工方法を決めないことが大切です。
配色の見本と、塗り分けの工程を確かめる
小さな平らな色見本だけでは、凹凸のある外壁の仕上がりを十分に想像できないことがあります。可能なら、自宅に近い形状の塗り板や試し塗りで、溝と凸部の色の関係を見せてもらいましょう。
関西ペイントのダブルトーンの資料でも、色の明るさや色味の組み合わせによって、模様が強く出たり、なじんで分かりにくくなったりすることが説明されています。写真や画面上の色だけで決めず、配色の差を確認する理由になります。kansai.co.jp
見本では、近くで見た境界だけでなく、少し離れたときの印象も確認すると判断しやすくなります。日なた・日陰での見え方や、屋根・雨樋・サッシとの組み合わせも、相談時に確かめたい点です。
施工内容については、「ダブルトーン一式」という名称だけでなく、次を説明してもらいましょう。
どの面を塗り分け、どの面を単色で仕上げるのか
凹部色と凸部色に使う塗料・色番号・艶
下地処理と下塗りを含む施工仕様、塗り重ねの順序
模様の塗り分けとシーリング補修、それぞれの範囲
色分けの作業や乾燥待ちが、工程にどう関わるのか
塗り分けのための作業が加わるので、単色塗装と同じ工程とは限りません。施工期間も、施工面積や仕様、天候で変わります。工法名だけで日数を決めず、提案されている範囲と工程を確認しましょう。
施工店を比べるときも、完成写真の色合いに加え、自宅に近い凹凸での仕上がりや、補修・材料・工程の説明を見てください。塗り分けの境界や模様の出方に納得できるかが、依頼先を決める材料になります。

◾️ケイナスの方針で考える、補修とデザインの選び方
ケイナスは、必要な工事を適切な内容で行い、品質と価格の理由を理解していただくことを大切にしています。この方針をダブルトーン塗装の検討に当てはめると、外壁を維持するための補修と、希望する見た目のための仕様を分けて考えることになります。
どの外壁に、なぜその材料を使うのかという理由を確認します。そのうえで、ダブルトーンにする面、凹部色・凸部色、塗り分け工程を検討すると、提案の中身を整理しやすくなります。
比較するときは、同じ補修範囲と塗料の条件で、単色仕上げとダブルトーン仕上げの違いを説明してもらうとよいでしょう。補修まで省かれた案と比べてしまうと、デザインのために何が変わるのかが分からなくなります。
家族で話し合う際は、「必要な補修は何か」「希望する配色はどれか」「その仕上げに必要な工程は何か」の三点を、外壁の写真・配色見本・提案書で共有すると判断しやすくなります。
ケイナスの施工メニューには、ダブルトーン工法を掲載しています。自宅への適用や施工範囲は、外壁の状態を踏まえてご相談ください。
◾️配色だけでなく、外壁の状態も一緒に相談する
ダブルトーン塗装は、サイディングの凹凸を生かしながら、溝と表面の配色で外観の印象を変えられる方法です。単色とは違う表情を求める方や、今ある形を生かして色を変えたい方には、検討できる選択肢になります。
選ぶ前に確かめたいのは、元の色柄を残したいのか、新しい配色にしたいのかという希望、そして外壁の状態です。クリヤー塗装との違いを理解し、必要な補修・下地への適合・塗り分けの工程まで確認してから決めましょう。
さいたま市を中心に外壁塗装を検討されている方は、株式会社ケイナスへご相談ください。現在の外壁全体と気になる部分の写真、残したい雰囲気が分かる資料があれば、希望を伝える助けになります。撮影は地上など安全な場所から見える範囲で十分です。
お問い合わせの際は、「今の柄を残したいのか、配色を変えたいのか」「ダブルトーンにしたい面」「色あせや補修跡など気になる点」をお伝えください。分かる範囲の情報で構いません。
リンク先のトップページ内に、お問い合わせフォームがあります。
この記事の執筆者
那須康一郎
所属:株式会社ケイナス
保有資格:雨漏り診断士/外装リフォームマスター/1級塗装技能士/1級防水施工技能士
外壁の仕上がりを検討するときも、下地の状態と必要な補修を分けて考えることを重視しています。本記事では、元の色柄を残す方法と、新しい配色で凹凸を生かす方法の違い、施工仕様の確認点を解説しました。
